先日、アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けました。
先生は真田由香さん。
まず、本当に感謝しかない。
とても大事なことに気づかせてもらえたのです。
レッスンテーマは、
《音は出ているんだけれども、出ている音と自分との間に距離があるような・・・
思うように演奏したいのにできないので、そうさせているものは何かを見つけたい》
レッスンが進む中で、先生からのある提案をしようとしたら、
心の奥底にあった考えが見えて来て、
涙が止まらなくなってしまいました。
その考えとは・・・
「自分なんて誰も見てない、誰も興味ないに違いない」
「私に注目が集まるなんておこがましいことだ」
だから演奏する時には、
「誰も私に興味ないよね。でも私は音楽が好きだから演奏はする。別に聴いてなくたっていいわ」
と、どこか覚めた状態でいたのです。
自分で自分を、空気のように、気配を消した存在でいようとしていたのです。 演奏する自分を大事にしていなかったのです。 なんてことでしょうか…。
そう気づいた時に涙が溢れたのです。
本当にやりたかったのは、
「私の音楽を届けるから聴いてほしい」
それが、このレッスンの中で見つかりました。
こんな風に、どこか逃げるように物事をしていたのには、
これまでの人生の中でそうして乗り越えてきた背景がありました。
それが、今、本当にしたい演奏が出来ない状態にもしていたのです。
(ただ、この手段が悪い手段だったわけでもないのです。
その時の自分が、自分を守るために編み出した手段で、
「よく頑張ったね」の声かけも大事だと教わりました。)
そのパフォーマンスの場に立てば、
事実起こることは、注目は集まっているわけで
自分は1人じゃないんだ!
を、改めて心の底から気づきました。
その後、演奏してみると、
「なんて素直に音が出るんだろう・・・」
地に足がついたような、
やっとスタート地点にたどり着いたような気分でした。
今回のこの気づきは、本当は少し感づいていたものでもありました。
由香さんに、1年前にも同じようなことを言われた記憶があったのです。
でもその時は、その自分に向き合う勇気が持てなくて、頭の隅に追いやっていました。
1年経って、ちょうど合宿の時に感じていた、自分に向き合う必要があると思っていた根本のところ。
それが、演奏にも結びついた。
演奏はやっぱり人となりが出るものです。
これまでの『自分は自分』という手段も、
これまで培ってきた、どこかで利用できるスキルなので大事にしていきますが、
見られていることに感謝して演奏する
これが、今回、自分の中で新たに生まれた手段となりました。