アレクサンダー・テクニークを共に学ぶ仲間と、アンサンブルについての研究会をしました。
アンサンブル。
吹奏楽などの大人数での演奏でも、少人数での演奏でも、「誰かと一緒にひとつの音楽を創る」という行為をする中で、
『合わせる』という言葉はよく聞くものの、深く考えずにかなり当たり前の言葉になっていたので、
そもそも合わせるってどういうことなの?
何を合わせるの?
この疑問を念頭に考えてみました。
合わせるとは?
アンサンブル・・・フランス語で、「一緒に」「協力して」「同時に」「調和する」「対をなす」「全体」「組み合わせ」「セット」「統一」「調和」「一致」などの意味だそうです。
『複数』が大前提にあって、
それらが調和をとって、1つの全体として組み合わさることと考えられるでしょうか。
1つ1つの個が集まって、
そのメンバーだからこそ生まれる化学反応があり、
「このメンバーならばどんなものが出来上がるんだろうか?」
という自由度を持った上でアンサンブルをしたなら、
そのメンバーの組み合わせだからこその調和が生まれる・・・
ものすごく素敵なことではないでしょうか!
個が主張しようとせずとも、
一人一人がただありのままの個性そのままにそこにいるだけですでにアンサンブルとして成り立つし、
だれか個が主張しすぎると、かえってアンバンランスになって調和が取れないこともイメージに浮かびます。
そうすると、
「誰かに合わせる」というような主従関係のような要素は、
本来は適していないんじゃ…?
と思いましたが、
全体としてみた時に、
だれかがリードしてそれについていくようなアンサンブルの仕方であっても、
そうすることでうまく調和を取ってアンサンブルが機能するのであれば、
そして、やってる本人(リーダーもついていく人も)が納得した上でのことなら、
選択肢としては有りやね、という話にも。 アンサンブルの可能性は無限大ですね。
何を「合わせる」?
この日、みんなで初見演奏をしていたのですが、
やりながらこんな想いが浮かんでいました。
ピアノを担当していたとき、自分の前奏から始まるので、
「これぐらいのテンポで良いんかな?」が最初に頭に浮かびました。
そして、
みんなが入ってくる時に「どんな風に音が重なっていくんだろう」
「それぞれ楽器が違うからどんな響きがするんだろう」
「おっと、ここはこのパートがメロディなのか」
こんなふうに、
自分のパートの楽譜を読み、打鍵して、テンポ感を気にしつつ、
演奏中に様々なことを考えていました。
一旦やめたところで、方々から「へえ〜こんな曲なんや!」という感想が飛び交いました。
そうして、まず私が気になったところを投げかけてみました。
最初の疑問、テンポ感ですね。
この曲はゆっくりなスピードで、3連符がずっと流れているような曲。
それと共に4分音符などの長めの音価を使った動きが同時進行で進んでいく曲だったのですが、
やはり「合わせる」というものの要素として【テンポ感の共有】はかなり大事。
ただその「テンポ感」もどう捉えるとより一緒に演奏が進めていけるのか。。
アレクサンダー・テクニークでは『動きに着目する』というのがまず私たちの共通認識としてあったので、 このテンポ感についても「動き」というワードを利用して
《この音楽が動いていくスピード(=テンポ)をみんなで共有して、みんながそのスピードで動く》としてみたらどうなるのか、やってみました。
二人三脚(実際の人数で考えると四人五脚)で息を合わせて一緒に動く、
そんなイメージで。
そうすると、1回目とは違って、「アンサンブルメンバー全員で一緒に音楽を創っている」ような印象が大きくなりました。
ここで、みんなと再度「合わせるって何を合わせることやろね?」と話し合っているときに、
・テンポを決める
・テンポ感をどうするか共有する
・ここはどんな風に音楽を作る?と話し合って共有する
・強弱のタイミングを決める
・ここは〇〇さんのリードについていこう
・聴き合い、調和し合いながら、その時にできる音楽を感じよう
こんなふうに、
具体的に「共有事項」を増やしていくことなんじゃない?という結論に至りました。
共有事項が多ければ多いほど、安心して演奏することができるよね、と。
私たちの中では「安心感」や「いつも実験」ということも共有している概念でもあるのですが、
アンサンブル研究は深堀すればするほどおもしろい!^^